易往山 浄勝寺ブログ

岐阜県 揖斐郡 大野町にある、浄土真宗 本願寺派のお寺「浄勝寺」の紹介です。

人は 智慧 によって、光によって、救われる!

・親鸞の『大無量寿経』(上)-「仏仏相念」の経ー羽田信生 著 樹心社

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 昨年十二月に、黒野のご門徒 M さん宅にお取越しに行ったとき、否応(いやおう)なく、「どうぞ、読んでください…。返すのはいつでもけっこうです。」と差し出された仏書です。
 ありがたい、と言うべきかもしれませんが… 毎田(まいだ)周一のお弟子の、羽田師だな…とわかると、気が重くなったのでした。

 それからもう、2か月がたちます。ようやく、台所の食卓の上で、読み終わった次第です。冬は机のある部屋が寒いので、食事の前後にちょびっとずつ、読んでいるのです。

 自分の本ではありませんから、いつものように鉛筆の書き込みが出来ないため、カラーの付箋(ふせん)を多用しました。樹心社の書籍にしてはめずらしく、やわらかい表紙、ソフトカバーですが、なにせ360ページもあるので、気が遠くなりました。

 しかし「まえがき」を開くと、驚くべき動機が書かれていました。こんなふうにストレートに親鸞聖人に立ち向かった人は、聞いたことがありません。まぁ、いちど、その一部を読んでみてください。

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 『教行信証』についての苦(にが)い思いは、わたしも同様で、よく分かります。30歳のころお寺に帰って来て、住職の資格も取ったあとが苦しかったです。
 親鸞聖人のお心(著書のこと)も分からないし、信心というものも見当が付かず、しかもそれでも住職の正式の資格が手に入ってしまうなんて、「まったく順序がまちがっている!」 「これって、詐欺師になったようなものだ…」と悩んだのでした。

 そのあと、たまたま明師に遇うことができ、また北方町の西順寺というお寺の御住職であった、三浦乗雲師 (みうらじょううん:父と同じくらいの年齢。故人)にやさしく誘われたのが、「教行信証の輪読会」という場所でした。
 三浦師というかたはきわめて反権力の思いが強い方で(正義感が強いということ)、すなわち自由を尊重される (= 本山・宗門の内部でだけ通用する解釈を嫌われた、公平な知識人ということ。)方でしたから、同じ思いの私にとっては居心地のよい集いでした。そこでは、――おっと、思い出話に脱線しました。
 
 羽田師は小生より三歳年長、東京外語露文科卒の方でした。学歴について述べるのは「本山の学校、教育機関を出ていない人」に、私はある期待を持っているからです。

 一般人の知性でも理解できる、納得できる浄土真宗というものが、一般大学卒の人も参加することで、新たに切り開かれるだろうと、わたしは願い続けてきたのです。
 不思議なことに、期待はみな裏切られてしまいました。せっかく世間の大学を出られたのに、お寺に入られると、どのかたもいつの間にか、 「本山式の発想、宗門型の理解。アリガタイ」 に変容なさるのです!? お坊さんの自発的マインド・コントロール?。 恐ろしい。三浦さんのいら立ちが、よく理解できるようになりました。
 
 さて、この本は在家の求道集団である光明団(本部:広島。九州には巌松会館もある)の方々が師をアメリカからお招きしての連続講話の記録です。
 二,三年前の 月刊『光明』誌上で赤宗氏というかたが、「大経は諸仏供養うんぬん」というお話をされたという会員の記事を読み、「変った理解をする人が現れたなぁ」とものすごく気になっていたのですが、なんのことはありません、羽田師を招かれ、この本の編集者でもあったのが、その赤宗氏でした。これで糸がつながりました。やっぱり読まねばならない本だったのです!。

 わたしは浄土真宗のお話や本で、「光」について、「智慧」について、また「おいわれ」について、きちんとした説明を読んだことも、聞いたことも、ありませんでした。
 しかしこの本では、明解すぎるほどはっきりとした解釈が示されます。すばらしい思索力です。

 なんといっても あの毎田周一 の弟子ですから――子弟は波長が合うものです!――ものすごい、チカラわざで論理を一貫させて行かれます。
 浄土真宗の僧侶なら、一読すべき本ではないでしょうか。苦しかったのですが、良かったです。M さん、ありがとう。

 惜しいのは、編集。末尾にある 『公開講座』の記録 を、先頭に持ってくるべきだと思いました。読む機会のある方は、ぜひとも公開講座から読み進められることを、おすすめします。お値段は、しっかりします。2800円+ 税。
 わたしは、自分でも一冊購入しました。もういちど、検討したいのです。読み物のお礼は、まず 読む ことですね。
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ご本もさることながら、ご住職がお寺に戻られてもまだ解決されない、課題を持っておられたことに驚きを感じました。小生も先般ご本を推奨していただきましたがまだ難しく、以前より読んでいた、歎異抄の解説本、親鸞上人の教えと解説書、正信偈の意味の解説書など 少しづつほぼ毎日読んでいます。いつかはこの ご本 にたどり着こうと思っています。

| URL | 2017-02-16(Thu)13:08 [編集]