易往山 浄勝寺ブログ

岐阜県 揖斐郡 大野町にある、浄土真宗 本願寺派のお寺「浄勝寺」の紹介です。

寺報 №162 自分の人生の道すじは

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  【住 職 法 話】 自分の人生の道すじは

   六十才をすぎて老僧がしたこと   
                   
  私の母はちょうど私の今の歳(とし)、60歳台の終わりに急逝(きゅうせい)しましたが、老僧(ろうそう)は享年(きょうねん)88歳でしたので、六十代からはゆっくり老いをかみしめる姿をあれやこれや見せてくれました。

 読書が唯一(ゆいいつ)の趣味の老僧はじぶんの最期(さいご)に向かうつもりで、若い時から読んだ本の名前(書名といいます)をノートに書き込んでいくという作業を、何カ月もかけてていねいにしました。それが父の自分史だったのです。「こうしてみると、たいして読んでないわい。」と苦笑(くしょう)していましたが。


   過去への道あんない

 過去の自分をふりかえるということは、歳(とし)をとったらだいじなことだと思います。過去のじぶん―まずは小学生のころ―どんなことを思ったことがあるのか、思い出すことが自分の軌跡(きせき)を知ることにつながります。
 そんな気持ちを引き出してくれるような、ほかの人のおさないときの心を御紹介しましょう。


   ● おしゃかさま  東小 四年生・ くるみ

   おしゃかさまの生まれた日
   しっていますか?
   わたしはしっています。
   四月八日です。
   インドでお生まれになりました。
   だからといって
   四月八日に生まれた人は
   りこう、天才ではありません。


 この子はにちよう学校へ行って、おしゃか様の誕生日をおぼえたのでしょう。とてもうれしそうに、胸を張るように、教えていてくれますね。
 しかも何月生まれはこういう性格だとか、○○座はこういう運勢だとかを気にする大人にたいして、「バカなことだとわかるでしょ?」とかわいく注意をしてくれているようにさえ思います。

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    ● およめさん  東小 三年生・ なぎさ

   きのう、四年生のみつひろくんのうちで、けっこん式の
   お祭りがひらかれました。
   わたしはいつも、およめさんより、おかしめあてでいく
   のです。
   ほんとに、みんなが聞くと、いやしいこんじょうだと思
   うと思います。

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   でも、わたしの好きなおかしが、おねえちゃんがもらっ
   たので、
   「こんちくしょう」と思いました。 


 心の中の動きがリアルですよね。それにしても、自分の気持ちのすがたを「いやしい」とはっきり判断(はんだん)して見ているその視線は、いさぎよく、高潔(こうけつ)そのものです。いま現在、仏さまの光りが差し込んでいる心だとしか思えません。なんまんだぶ、なんまんだぶ…。
  しかしまた、すぐに「こんちくしょう」と、仏さまならぜったい口になさらないことばも出ています。
 この正直な告白のおかげで、読むわたしたちは 救われるのですね。


    やみにうずもれた、わたしたちのこころの道

 あなたの過去にもいくつもの「自分・詩(し)」のかけらがあったことでしょう―いつのまにか闇(やみ)に埋(うず)もれてしまったとしても。
 もういちどゆっくりさがしてみることが、じぶんの歩いた人生の道を確かめることになると思います。なもあみだぶつ、なもあみだぶつ。
 【平成二十九年三月十五日 浄勝寺住職・村上敏喜 拝記】

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