易往山 浄勝寺ブログ

岐阜県 揖斐郡 大野町にある、浄土真宗 本願寺派のお寺「浄勝寺」の紹介です。

今は亡き 林暁宇という念仏の人

 ご法事は家族だけとか、兄弟だけでという少数の開催が多くなりました。
 「法事は、少しでも多くの人に仏縁をむすんでもらい、成仏の道を歩いていただくための、ほどこし」という、仏教の大原則から外れることです。

 しかしまた、少人数のご法事でも有難いこともあります。とくに、和気藹々(あいあい)という雰囲気がある集まりの場合は、です。

 11月になって、そんなご法事にお参りしました。黒野の K さん宅です。
 亡き母上の祥月命日の一巻読経がすむと、ゆっくりと談笑。帰りがけには机の上に数冊の本が並べられ、「ごえんさん、どうぞ欲しいものはお好きなだけ持って帰って下さい。」と。
 そのうちの2冊はすでに持っている本なのでパスして、あと全部を遠慮なくいただくことにしました。(ケナルイでしょう?)

 現在読みかけの本は置いておいて、さっそく食卓で読んだものをご覧にいれます。

妙なるいのち_convert_20171124215636_convert_20171125113918_convert_20171125213916 桃太郎の_convert_20171124215615_convert_20171125113906_convert_20171125213856


・『妙なるいのちこのいのち』は平成16年発行。

 これらすべての冊子は50ページ前後の美しい小冊子で、大きな活字です。価格もぜんぶ300円くらいに抑えてあったと記憶しています。つい先年、著者の林 暁宇(はやし ぎょうう)師が亡くなられてしまい、この後の入手は困難になると、私は予想しています。

 なぜかと申しますと、僧籍は大谷派(お東)で、NHKテレビにも出られた方ですが、教団に“認知された先生”ではないから、です。独立した、孤独な念仏者(活動家)の宿命です。なんまんだぶつ、なんまんだぶつ…

 この講話記録に、林暁宇師個人の仏法との出会いがすべて明らかになっています。
 それは人との出会い、赤禰(あかね)貞子さんとの出会いですが、それはまた『慈悲の国』という、片片たる仏教雑誌の取り持った、数奇なご縁でした。
 破れた古い雑誌が著者の生活を一変させた…この事実を生涯忘れることなく、林暁宇師は彼なりに仏道を歩き通されました。
 この驚くべき個人力がみなぎった雑誌は、戦後は『聖徳』と改名して昭和60年まで続きました。
 その雑誌の主宰者・高橋常雄師に娘時代から育てられた、何人かの女性たちに平成元年ころ、私もめぐりめぐって出会うことになります。

・『桃太郎の念仏』は2006年(平成18年)初刷


暗くなるほど_convert_20171124215426_convert_20171125113734_convert_20171125214309 時代を越えて_convert_20171124215553_convert_20171125113850_convert_20171125214328

・『真宗は時代を越えて』 2004年(平成16年)発行

 この本の冒頭に、岐阜県安八郡神戸町の児玉医院の、児玉若菜おばあさんのエピソードが出て来ます。明烏師に叱られた、とても面白いお話です。
 全体としては北海道の鈴木章子さんに病床で会われたおはなし。臨場感があります。

・『暗くなるほど月の冴え』 2000年(平成12年)石川県のケアハウス内から刊行

 平成5年に命終された、前田政直氏の闘病生活の中での生きざまが、わずか21ページで語られています。
 またそれを通して、暁宇師のひとつの明確な主張、死後の浄土信仰も声高らかに訴えられます。
 現在の大谷派では極めて少数派、ほとんどの僧侶から見下されるようなお領解でしょう。
 師はほとんどくやしまぎれのように、藤井日達や鈴木大拙まで持ち出しておられるところが、おのずと問題の深刻さを物語ります。ナム、ナム…


死の向こうに_convert_20171124215528_convert_20171125113831_convert_20171125214402 帰依所の_convert_20171124215504_convert_20171125113808_convert_20171125214346

・『死の向うに大いなる光が見える』 平成5年発行

 この冊子は、林師の求道のカギを見せてくれるお話です。前田政直氏とそんなに昔から出会われていたとは思いませんでした。
 著者のもう一つのテーマ、仏教は《よき人と出会う》ことに尽きるについて、ていねいにまとめて親切に話されています。何人もの方が借りて読まれたらしく、表紙は汚れていました。

・『帰依所のあれば』 2004年(平成16年)初刷

 タレント僧侶・瀬戸内寂聴さんへの批判が出ていて、同感、愉快です。しかしそれを「私は承服できないんです。」とていねいにおっしゃる暁宇師…私も見習わねばと思いました。 以上です。

 当日の K さん宅ご法事で、終わりがけに岐阜市から参られたご親戚が、フッと「あれ? 今日はいったい何回忌の法事だったの?」と声を出されました。
 当家の奥さん笑っていわく、「そんなもん関係ない、今日は義母(おかあ)さんの祥月命日なんやよ!」と。あっぱれ。
 イヤイヤ法事をつとめる人もあれば、喜んでつとめる人もあるのです。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する