易往山 浄勝寺ブログ

岐阜県 揖斐郡 大野町にある、浄土真宗 本願寺派のお寺「浄勝寺」の紹介です。

往生際が悪い…

 1月23日(火)は谷汲へ出かけて、ひまわり法話。
 12月は日程の調整がつかなくて、お休みしていましたので、2か月ぶりでした。
 この日も、しつこく体力を消耗した風邪の病み上がりで、自分にも不安でしたが、思い切ってお話してみました。

ひまわり_2018_1月_convert_20180130165508
 (ありゃー、やっぱり少しやせてしまいましたね。)

 みなさん、今回はまっすぐに横並びにお行儀よく並んで、待っていてくださいました。
 こちらが緊張して、思わず「こんばんは!」 と挨拶してしまいました。(いかん、まちがえた)と気が付いてとっさに出た言葉は、「おはようございまーす!」。
 午後2時ですから、ジョークの出来そこないみたいなものでした。アカンときはアカンものですね。

 お話は報恩講のご報告と、その直前にぶつかった、お葬式の話。
 会ったことのない方から早朝に電話が掛かって、ともかく御遺体の枕経(まくらぎょう)に、ウグイス谷トンネルの向こうまで出向いたところから始まりました。
 若いご夫婦、女性が喪主でした。奥様の(別に住んでおられた)父上が急に亡くなられたということです。(享年82歳)
 金銭的な余裕も、準備もしてないようすですので、「とにかくみえを張らず、質素に準備しなさい。ご自宅なら、このように私が設営して上げれるのですが…ここは G葬祭のホールに来てしまっておられるのですから、私としては手の打ちようもありません。」
 と言って、見せたのが、いつも持って歩いているカードでした。これです。
これでじゅうぶん_convert_20180130171341

 その晩お通夜にうかがって、びっくり。ものすごく質素な会場が用意されていたのでした。しかも写真とそっくり。

改 安置室での葬儀 IMG_20180111_115944_convert_20180130171016

 G葬祭の若い女性スタッフも、よくこんな形で、応じてくれたものだ…と感心しました。営業的にはむつかしい形式です。私のカードを見て、しつらえたのだそうです。ただし家族も、親戚も、全員がざぶとんしかありません。

 お通夜の打ち合わせで、喪主夫婦と意見を交わしました。
「今夜と明日で、いちおうお葬式はすみます。私とのお付き合いもこれでおしまいになさっても、構いませんよ。」
私:「ただ、もしもこの後お父さんの供養・法事をしていくのなら、どんな小さなものであれ、お仏壇が必要ですね。
 お父さんたちが住んでおられたお家には、お仏壇がありますか?」
Aさん:「ありません。この後も法事を勤めたいです。」
私:「それなら、あなたの家にお内仏(仏壇のこと)を入れてもらわねば。」
Aさん夫婦:「仏壇って、いつ入れたらいいものなんですか?」

 出るべき問題がひとつ出ました。

私:「仏壇を入れたら、縁起が悪いということは、ありません。仏壇が無くても、お父さんは死なれたでしょう?」
「だいたいね、70歳、80歳になっても、仏壇を買わないというのが、おとなげないのです。
 70,80になったらどんな小さな仏壇でもいいですから、自分で用意しておくものです。
 『ワシは、もしものことがあったら仏さんの世界へ行くからな。』と子や娘にアピールしておくのが、親らしいのです。
 これを先のばしにしておくと、その子どもが仏壇を買わなければならない、ハメ になります。30代や40代の若い人が仏壇を買うのは、大きな抵抗があるでしょう? 80歳代の親が、やるべきことをやってないからなんです。
 これを【往生際(おうじょうぎわ)がわるい】といいます。
 今夜一晩、御夫婦で考えておいてください。」

 翌日はお葬式。その打合せで、
 Aさん夫婦:「わたしたちでお内仏を入れることに決めましたが、主人は A家、亡くなった父は B家です。
 いっしょにすると、両家のご先祖がケンカするといいますが、その心配はないのでしょうか?」

 これが出るべき問題のふたつ目でした。

私:「ケンカをするのは迷った人たち。ケンカをしたり、好き嫌いがあるのは、迷いの世界、この世界です。仏さまの世界に行ったら、ケンカもスキだキライだも、ありませんよ。
 仏さまの世界というのは、よく聞いてくださいよ、【広大会(こうだいえ)】といいます。広くて、大きくて、何人でも集まれる、清らかな場所なのです。
 私たちの側からいえば、心を広く持ち、大きな気持にならなければ、行けない世界です。
 仏さまの世界でケンカしないか…などというのは、迷った人間のいうことです。」

ご夫婦:「ごえんさん、その話は、お葬式が済んだらもういちど、親戚の前でも話していただけませんか…?」
私:「エーッ!**」

 かくして、お葬式が全部終わったところで、もう一度、会葬者全員に向って 『70歳になったら、の心得。いつまでもカラオケと旅行遊びばかりを考えず、自分の行き先を決めておくこと』について、ご説明 をしなくてはなりませんでした。なかなか大変な、お葬式でありました。

 このケースは、娘さんが親のお父さんに対して、ものすごく親孝行で、やさしい女性だったから、こんな本質的なお葬式が出来たのだと思います。
 初めの電話口でのお願いも、ほんとうにていねいでした。こころのやさしい、親孝行な人のお役に立てて、うれしいと思いました。
 逆にいえば、親孝行の気持がうすい、親がいなくなって悲しい思いをしておられないお葬式が、多くなりましたね。なんまんだぶつ、なんまんだぶつ…。

 その後、ご夫婦は浄勝寺にお礼に参られ、中陰(七日七日)のお参りを頼まれましたので、「あわててお内仏を買うことはありません。貸し出し用の物をお貸しいたします。忌明法事までに仏壇を用意しなさい。」ということにしてあります。
 貸出してあるのは、このようなものです―

改 パンフ 2_convert_20180130200644

 じっさいの仮のお仏壇は、このように荘厳されました。なかなか良いものでしょ?

改 中陰段 マーク IMG_20180212_105649_convert_20180214115356


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