易往山 浄勝寺ブログ

岐阜県 揖斐郡 大野町にある、浄土真宗 本願寺派のお寺「浄勝寺」の紹介です。

『正風遠州流挿花(いけばな)ひとりけいこ』

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 はじめて、生涯で唯一、江戸時代の和本を読み上げました。2カ月かかったようです。
 文化3年、1806年に江戸の町で刊行された、生け花の本です。
 200年以上たっていますので、いつもですと部分的にしか読めずに、あきらめているはずなのですが、本の内容にとても興味があったたため、最後まで読解にチャレンジできたのだと思います。

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 小さな本です。表紙に貼ってあった「題」の紙はとれて、無くなっています。「正風遠州流挿花(いけばな)ひとりけいこ」と書いてあったはずなんですが。
 独習書ですね。「師がいなくても、木のぼりができるように、書いたよ。」と著者は言っていました。秘伝が当たり前の時代に、このオープンな気持、ジンと来ました。

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 こんな感じです。職人がこんな筆字を木の板に彫ったんですね!(便宜上、早稲田大学の蔵書アーカイブの写真)
 これを写真修正すると、
半分 改 wo09_00614_p0045_convert_20180418222550
 まん中の「く」のようなのは、虫が食った跡です。これを苦心して読むと、

一、何の道によらず、稽古には先ず其の土台を能くわきまへ知るべきこと也。        
此の小冊は童蒙(どうもう:無知なひと)のために、花けいこの土台をしらしむる也。
猶(なお)次の百首を能(よく)誦(じゅ)し、覚うべし。
 ○正風挿花稽古 土台枝折(しおり)歌 百首
    礎(いしずえ)
出生は違(たが)うまじきぞ 去(さり)ながら(:しかし)
 曲(きょく)と時節(じせつ)を わするべからず(寿)


――と、こうなります。 歌を作って、覚えやすくするというのは、すごいですね。明治までの日本人の身についていた教養・文化でしょう。
 しかし、私の古文書(こもんじょ)の力では、こんな見やすい刊本(木版印刷)でさえも、悪戦苦闘の毎日でした。一日6時間くらい対決していたと思います。
 知らないうちに、パソコンの横には、字書の山ができていました。

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 花の名前も今とは違うし、江戸時代の著者の心に侵入し、できれば同調するためには、これだけでは済みません。

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 やぐらコタツが置いてある部屋まで行って、全20巻の「日本国語大辞典」も引くことになります。分冊で面倒ですが、古本屋で買っておいてよかった、と思うことがたびたびです。
 いやいや、江戸の人がふつうに使った言葉、花の名前を探索するは、これでは新しすぎます。
 とても役に立ったのが、これ。
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 ご存知なら、あなたもインテリの仲間です!?『大言海』。正直なところ、こんなものは、一生使わないと思っていました。私のは分冊ではなく、一冊本です。
 学生のころ研究室で便利だと思い、名古屋の丸善で見かけて買ったものです。背革装。ものすごく役に立ちました。パソコンやスマホは、まるで役に立ちません。最後は、これです。

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 こうやって1ページが、やっと読めることになります。もちろん、とうとうわからずじまいの字も、いくつか残りました。
 A4用紙上下2段組にして保存。こうしておけば、古文書(こもんじょ)の入門参考書にもなるでしょう。

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 ようやく一冊を読み終えたところです。ふぅっ! 私の手前味噌な、生活報告です。
 読んでみたい、見てみたい方はどうぞ、えんりょなく御連絡下さい。差し上げます。

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